学会発表抄録
8.第99回 日本外科学総会                平成11年3月

 【発表抄録】
 矢追インパクト療法(Y・I・T)

 東京渋谷区開業医 山脇 昂

目的・方法:
 この療法は、盛岡在開業医矢追博美先生が喘息・鼻炎・アトピー性皮膚炎等に開発した。数種アレルゲンエキスを10x倍(Xは整数)希釈し、両側前腕皮内に注射する。ツベルクリン皮内注射を6個作るごとくに。私は老化(生命機能の劣化)に対し行った。
 老化性眼瞼下垂(筋無力症)を挙上した。顔面帯状疱疹初期・途中・後神経痛を止めた。激痛に突然見舞われる石灰沈着性肩峰下滑液包炎を癒した。その石灰の消退を追っている。これは動脈硬化から石灰沈着に至る際の遠隔操作療法として、ある示唆を与えてくれると考える。急に起こった老化性円背(Kyphosis)に対する研究・治療は現在どこでもやっていない(no touch)と言われる。
 「胸苦しい」「胸が痛い」「息苦しい」「歩行困難」「めまい」等を訴えて来院された87歳女性は、3年前から誕生月健診で胸部X-Pを撮っている。これらのX-Pを連続的に追うと胸郭内容積の上下方向圧縮、したがって肺・縦隔の圧縮による愁訴であることが理解でき、Y・I・Tはそれを救えた。X-P上では知りえない微小な上下圧縮でも同じ症状が起こるであろうと思う。
 眼瞼を挙上することと、円背を矯正することは、いずれも筋無力を改善するすることで相似であり、この現象は又睡眠時無呼吸(咽頭部狭窄より起こる鼾)を救えるであろうと思う。
 アレルゲンを希釈に希釈を重ねることは遺伝子の「かけら」を作ることであり、6種類使用することはその複合・相乗・累積効果はすごい。1〜2種漸次高濃度使用という免疫的耐久力をつける減感作療法とは別の効果現象「適度な燃焼」という状態をもたらし、このことは人間の不完全燃焼状態(糖尿病)に最も対抗できる療法になると考えます。
 副作用として嫌われているアレルギー即時反応及び神経軸索反射を利用しますから瞬時にこの現象は起こります。その持続期間は経験上約2週間程です。
第99回 日本外科学会総会会場にて