学会発表抄録
2.第33回 日本成人病学会                平成11年1月

 【発表抄録】
 矢追インパクト療法(Y・I・T)

 山脇診療所(開業医) 山脇 昂

目的:
 我知らず徐々に起こっている石灰沈着を皮内注射という遠隔操作で消せるか。
 大動脈弓に沈着するも、肩関節滑液包の石灰化もその機序は同じと思う。
 前者は動脈硬化症、後者は石灰沈着性肩峰下滑液包炎です。後者は寝相の悪さか仕草の悪さによって、ある日激烈な疼痛を発し、その時肩関節X-Pで発見される。
 Y・I・Tはこの疼痛を瞬時におさめた。その後の石灰の行方を追った。
 前者にもある示唆を与えるものと思う。

対象と方法:
 肩関節X-P上で石灰沈着が証明されるもの、まだうすくて証明されないものでも、その発生機序は同じであろうと症状より判断できる症例に行っている。
 疼痛はすぐとれる。数種アレルゲンエキス(ハウスダスト・ネコ毛・ダニ・カンジタ・パスパート・スギ花粉又はブタクサ又はヨモギ)を10x倍(Xは整数)に希釈、両前腕皮内にブルーシリンジ、27ゲージ針を用い、0.025〜0.05ccツベルクリン注射のごとくに、4mm程度の「お豆」を6個作る。これをスポット的又は定期的にくり返す。

結果・結語:
 この療法は筋肉痛・狭心症・激しい下痢・腹痛・嘔気・嘔吐・帯状疱疹痛等スポット的に行って、ある程度効果をおさめる。
 約3年定期的に行っている人で、血圧が正常安定化したご老人が4〜5名おられる。糖尿病におけるHbA1cの変化改善を現在追及している人が数名いる。
 大動脈弓突出石灰沈着量減少はまだ見られない。
 世界でまだno touchだと言われる老化性円背が改善されて行く。肩関節炎における石灰沈着量は減少していく。