学会発表抄録
4.第35回日本成人病学会 発表抄録                       

矢追インパクト療法(YIT)
−生活習慣病に急ブレーキ−

山脇診療所  山脇 昂

【目的】生活習慣病、特に2型糖尿病に この療法の有効性を着目し、その経過を追いました。

【対象ならびに方法】スクラッチテスト・皮内テストにも使用する鳥居薬品製のアレルゲンエキス5種(ハウスダスト・猫毛屑・ダニ・カンジダ・スギ花粉またはカモガヤまたはブタクサ)の各々に同社製のアレルゲン稀釈液を用い10億〜1兆倍の稀釈液、それにパスパート皮内注射薬(マルホ)の計6種を、生活習慣病をフルスピードで驀進中の方4名に、2000年3月から1人は腰、他は両上腕皮内に3個ずつ約2週間毎に皮内注射し、HbA1c、TC(総コレステロール)、TG(中性脂肪)及び全身状態、特にQOL改善変化を追った。4名はいずれも2型糖尿病を何年間持続してきたかは不明、何を食べるなとか、運動をどれくらいやってエネルギーをこれだけ消費しろとかの指導を一切やらず、現在の生活のまま、その延長線上に置いた。

【結果】40歳の御婦人は2ヶ月以内で75kgから63.5kgとなり、すべての愁訴消失し、あまりの急激な変化に驚いたか、この療法から離脱し来院されなくなった。3名の方は数値・自他覚的全身状態とも良好に経過している。

【結語】この療法は、生活習慣病に対し簡単で、HbA1c、TC、TG、QOLの改善から、運動療法を代行できる可能性を有する、身体に対する負荷となり得る。アレルギーを操作する時、そのもっと深いところでは、エネルギーの大量移動があることに気ずいた。このエネルギーの移動こそ、運動であり、糖尿病に最も有効な療法だと考えます。